プロが行う大事な下地処理

2024.07.29 14:45 塗装工事の各工程

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数年後の仕上がりに大きな違いが!?
プロが行う大事な下地処理・ケレン作業



塗装作業の工程には序盤にケレン作業というものがあります。

これは外壁や屋根を高圧洗浄した後に行う作業で、ヤスリなどで塗装面の凹凸や汚れを落としてキレイな下地を作る作業の事を言います。
地道な作業ですが、この工程で手を抜くと塗料と外壁の密着が悪くなり耐用年数より早く塗膜の剥がれなどのトラブルが起こる可能性があります。


この工程は塗装をしてしまえば隠れてしまうので、ケレン作業をしっかり行わない一部の悪徳業者により上記のような問題が起こらないように、この記事ではケレンの役割と具体的な作業工程について紹介しています。



ケレンの役割は先ほど紹介したように、これから塗装する個所と塗料の密着力を高めるために表面を最適な状態にする作業の事です。

外壁塗装に先立ち、ケレン作業の目的は下記に挙げられます。


・塗料の密着性・付着性を高める

サビなどで劣化した部分に塗装をすると、塗装の層の間にサビがあるので塗料の密着性・付着性が損なわれます
サビや古い塗膜が残っていると、上から新たに塗装をしても塗料が密着しません。
これらの事を防ぐ為、塗装する面と塗料が密着しやすくなるようにケレンによって下地を調整するのです。
また、塗装面が平滑すぎる場合には、わざと目が粗い紙ヤスリで素地に細かいキズをつけて塗装することもあります。




・塗料の効果を長持ちさせる


塗装する面と塗料の密着度が強ければ強いほど、塗装は長持ちします。
一見してサビやカビ・コケなどが発生していなくてもケレンが必要になるのは、塗料の密着度を高めるためです。
ケレン作業を丁寧に行わないと塗料の耐用年数よりはるかに早く劣化が始まってしまう可能性が十分にあります。





・仕上がりを良くする
塗料の厚みは、標準的に0.5にも満たないほどしかありません。
そのため、下地にサビやコケなどの異物が付着している上から塗装すると、その箇所だけ塗膜に厚みができてしまいます
平滑さがなくムラができてしまうので、綺麗な仕上がりにするためにケレン作業が必要になります。




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ケレンの種類
ケレンの種類は4つに分けられます。



【第1種ケレンブラスト処理や薬品によるケレン

第1種ケレンは大掛かりで、ブラスト処理や酸洗浄、剥離剤などを使って行う作業です。
一般住宅における外壁塗装で採用されることはなく、主に橋や船舶などで行われています。



【第2種ケレン
電動工具などでサビを落とすケレン

第2種ケレンは電動の回転工具などで研磨する素地調整で、サンダーやドライバーを使います。


【第3種ケレン手工具などで死幕だけを除去するケレン

第3種ケレンは手作業を中心に行う素地調整で、錆や汚れが少ない場合に用いられる工法です。1種と2種のケレンは旧塗膜を全て剥がしますが、3種ケレンでは密着性の高い活膜は除去しません。対象の面積が広い場合は電動工具を使うこともあります。



【第4種ケレン手工具などで簡単な清掃や目粗しをするケレン

第4種ケレンでは軽度の錆をヤスリなどで落としたり汚れを拭き取ったりしていきます。また、雨樋のように平滑な樹脂面に対しては、サンドペーパーで簡単な目粗しをする場合もあります。サビがない場合には表面の洗浄作業にとどまるケースもあります。(高圧洗浄を第4種ケレンに含める場合があります)






ケレン作業は外壁屋根塗装工事においてその後の耐用年数を左右する重要な工程であるという事をお伝えしました。